格闘技のプロ選手は自分でチケットを売らなければならない
格闘技のプロ選手は、プロとして試合をした場合にファイトマネーが支払われる。
ただし、これは100%現金で貰えるわけではなく、何割かは「試合のチケット」としてそのプロ選手に渡される。
プロ選手はそのチケットを全て販売し終えて初めて、想定していたファイトマネーの全額を受け取ることができるのである。
ジムの会員はプロ選手にとって声をかけやすいお客さん
プロ選手のチケットの販売先として、その選手が所属しているジムの会員がいる。
日々練習が忙しいプロ選手が、チケットの販売先を開拓することに時間と労力を使えるはずもないので、売り先は「いつも行く場所にいる人」になるのは当然である。
ジムの会員でいるかぎりプロ選手との関係は続くので断りにくい
いらないものは買わない。チケットを売りつけられても、普段の買い物と同じ感覚で判断できれば、いらなければ買わないということができる。
しかし、そのプロ選手との関係性はジムの会員でいるかぎり続くのである。「関係がこじれたら面倒くさいな」という思いが頭をよぎり、まともに判断できないこともある。
なにより断るのも面倒くさい
「ジムの会員は金はある、時間も作ればできる」ということは、ジムでは周知の事実なのである。会費を払ってジムに通う余裕があるのだから。
その上で、あえてチケットを買わない理由を売りつけてくるプロ選手に説明しなければならないのは、本当に面倒臭い。
チケットを売ることもプロ選手の仕事になっている業界の構造を残念に思う
プロ選手だって、試合に勝つ努力に集中したいはずである。なのにチケット販売なんて余計な仕事に時間と体力を使わざるを得ないのだ。これは辛いだろう。
リングで戦うのが得意な人が戦う、チケットを売るのが得意な人が売る、仕事とは分業であるべきはずなのに、プロ選手は異なる能力が求められる2つの仕事を同時にこなさなければならない。
これではプロ格闘家になろうと思う人は少なくなるんだろうなぁ。