- 労働者は時間と体力をお金に交換している
- 時間と体力も人生の可能性
- 退屈しない人生を作るために時間と体力、そしてお金のバランスをとる
- 借金をしたらリソース配分の自由がなくなる
- 自分が必要なリソースを追い求められるフリーな働き方が理想
労働者は時間と体力をお金に交換している
週5日間、少なく見積もって定時までの8時間、労働者は働く。
労働者は、この8時間という時間と、その時間に行う作業をこなすための体力をお金と交換する。
毎日当たり前のように交換している、この「8時間という時間」と、「8時間分の作業をこなすための体力」は、実は自分の人生を満足行くものにするためにも重要な資源である。
交換レートは人それぞれだが、労働者は皆、そんな貴重な資源をお金に交換している。
時間と体力も人生の可能性
上記のセミナーに参加するような、「定年退職後にやることがなく、退屈している高齢者」がいると聞く。
なぜこんなことになるのだろうか。
おそらくは、労働者として生きているなかで、時間と体力をお金と交換しすぎたからだろう。
お金はそれ単体では人を幸せにしない。お金を使って楽しい時間を過ごすには、時間と体力も欠かせない。
仮に1億円を持ってたとしても、無趣味で、何をやっても楽しいと感じず、またそれをやろうと思う気力も、やるための準備をする体力もない状態では、大量の紙に囲まれただけの退屈な人生になってしまう。
自分の人生を楽しくしてくれる可能性を試すためには、ある程度のお金と、時間と体力が必要だ。
リソース配分が偏っていては、「やってみたら楽しいかもしれないもの」にアクセスする機会を失ってしまう。「今日は疲れているからやらない」、「今はやる時間がない」、「お金がないからできない」なんてことで、一期一会だったかもしれない機会を逃してしまう。
定年退職後に「趣味がない」、「やりたいことがない」なんて人はリソース配分を間違えてきた人なんだと思う。
趣味ややりたいことなんてものは、やってみないと自分に合うかわからない。やってみるためにはお金以外のリソースも振り分ける必要があったのだ。
退屈しない人生を作るために時間と体力、そしてお金のバランスをとる
退屈しない、楽しい人生を自分で作っていくために、時間、体力、お金の3つのリソースをバランスよく持っておく必要がある。が、これはなかなか難しい。
労働者にとって、この3つのリソースはそれぞれがジレンマのような関係になっているからだ。
例えば、労働で金を得るには時間か体力を消費する。体力を温存するには、長時間だらだら働いて時間犠牲にするか、働く時間を短くしてお金を犠牲にする必要がある。時間が欲しければ、時短につながるサービスをお金で購入することになる。
つまり、貴重なリソースを別の貴重なリソースと交換することになってしまうのである。
どれかに偏っていては、自分の人生を楽しいものにするための可能性を試すことはできない。3つの貴重なリソースをバランスよく、かつ、十分に持ちつつ、自分の人生を楽しくする行動を起こしていくことが必要なのである。
借金をしたらリソース配分の自由がなくなる
自分の人生の中で、自分が楽しいと思える物事に出会うには、時間、体力、お金を「やってみること」に配分する必要がある。しかし、借金を追ってしまった場合には、自分の人生のリソースを「お金」に振り分けざるを得なくなる。
例えば、住宅や車などを借金で買ってしまったら、数年から数十年分の労働でお金を稼いで、商品の値段+利息を払う必要がある。こんなことをしては、数年から数十年は自分の人生を「お金を得ること」に集中させなければならない。こうなってはリソース配分はできない。借金の返済が優先だ。
もちろん、借金してでも買うことで自分の人生が楽しくなればそれでいい。残りの人生はその「買ったもの」を愛でて生きればいい。上記のようなセミナーにいく必要はないだろう。
自分が必要なリソースを追い求められるフリーな働き方が理想
会社に入ったら定年するまで同じ形で労働せよ、との働き方では基本的にはお金に偏ったリソース配分になってしまう。お金で楽しみが買える人ならそれでもいいが、世の中そんな人ばかりじゃないから「定年後セミナー」なんてものがあるのだろう。
自分が今試してみたい可能性を試せるような働き方は理想だと思う。
例えば、時間がかかる趣味を見つけたから、収入は下がるが労働時間は週3日しておくとか、スポーツで体力を使うから体力を持っていかれない程度の負担の業務量にしておくとか。その時々に合わせたいろんな働き方ができるといい。
今はほんのひと握りのハイレベルなスキルだったり、レアなスキルを持った人だけが、まともな労働条件でフリーランスとして働けていると思うが、そうでない人も多様な形態での労働できるようになれば、「趣味とかやりたいこととかない。会社辞めたら空っぽだ」なんて虚しい人が減るんじゃないかと思った。
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