「ソウルライクのオープンワールド化」には不満
本作は従来の「ソウルシリーズ」とは違い、「オープンワールド」(オープンフィールド?)だが、これには満足していない。
どこにでも行けるが好きな順番で攻略できるかどうかは別
確かにプレイヤー次第でどこにでも行くことはできるが、結局、ダンジョンやボスの攻略は「順路」を守らないとできない設計になっているので、「自由に見えて実は不自由」である。
「広大な大陸」を自由に駆け回る負担がでかい
本作も「ソウルシリーズ」と同様に、「MAPをよく見ないとわからないところに大事なものが隠されている」という仕様である。「ソウルシリーズ」なら捜索範囲はダンジョンなので、探索範囲は狭かったが、本作は「広大な大陸」であるので、捜索範囲は広い。なので、進むべき場所やとるべきアイテム、出会うべきNPCを捜索するのが本当につらい。
フィールドが広大なくせに「クエスト管理」も「コンパス」もない
本作には『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』や『GTAⅤ』のように、進行中のクエストを一覧できたり、クエストの目的地をMAPに示す機能がない。なので、自力でクリアするなら、クエストの進行が進行するたびに広大なMAPを駆け回って該当する地点に行かないといけないし、そもそもそのクエストが終わったのかどうかもわからない。
クエスト関係のNPCに話しても「またいずれ会うこともあるだろう」みたいなことを言うものの、それがクリアの宣言なのか、まだ続くことを示しているのかわからない。
なので、攻略サイトがないと筆者の場合、序盤で詰んでいた。
まとめと補足
「ソウルシリーズ」は「死んで学ぶゲームデザイン」が特徴だけど、それは敵の配置や攻撃パターンを理解することにフォーカスしているから面白いのであって、「どこに行けばいいかわからない」「イベントのフラグ管理が不透明」みたいな単なる不便さは、ゲームの難易度とは別の話。このような『エルデンリング』の不便さは、ある種「昔のゲーム的な不親切さ」に近いところがあるように思った。(情報でしか知らないけど、『魔界村』とか『ドルアーガの塔』とか)
「行き先がわからないから探索するのが楽しい」という側面もあるけど、一方で「攻略サイトを見ないとNPCイベントがほぼ進行不可能」というレベルの不透明さは、さすがに擁護しづらい。
まぁ『エルデンリング』は「狭い意味でのソウルシリーズ」ではないわけだから、「ソウルシリーズとしての評価」は妥当じゃない気がするけども。
プレイの自由度の高さは大満足
一方で本作の「遊び方の自由度」には大満足である。
状況とプレイヤーの好みに合わせて戦い方をカスタマイズできる
「ソウルシリーズ」とは違い、武器の派生のために複数本同じ武器を持つ必要はないし、武器系統が合っていれば『戦技』をいつでも自由に変更できるので、「こういう状況ならこれが合ってるかも。。」という組み合わせを思いつくごとに実現できるのが良い。
例えば、「このボスは防御力高めのNPCと共闘だから、NPCにターゲットが向いてる間に勝負を決めるために、防御は捨てて攻撃に全振りしてみよう」とか、「魔法使いNPCと共闘だから、自分がターゲットをとるために防御を固めてみよう」とか、状況に応じて戦い方をカスタムできるのが楽しい。
「ソウルシリーズ」でもこれはできると言えばできるが、やるための準備がすさまじく大変だし、そんなことをしなくても何とかなったりする。
必ずしも正面から「戦う」必要がないのがいい
これは例外的な楽しみ方かもしれないが、「敵にばれないように背後に回り込んで、攻撃判定が出ない技で相手を毒状態にして、継続ダメージで殺しきる」ということがボス相手にもできるのが、自由度があっていい。
まとめと補足
ダンジョンの設計は相変わらず秀逸で、ショートカットの開通とか、ボス部屋までのルート設計が絶妙で、「道を覚えて、行ける場所を少しずつ増やしながら攻略する楽しさ」はきちんとある。
ビルドの自由度も高くて、「脳筋・技量・魔法・祈祷・状態異常ビルド」みたいに、ビルド次第でまったく違う遊び方ができるのは本当に良かった。これに加えて戦技や遺灰も自由に選べるので、今までの「ソウルシリーズ」より戦い方の幅は確実に広がった。これによって、戦闘面での攻略の難易度は「戦略次第でどうとでもなる」感があったのは、「良い意味でプレイヤーに優しくなった部分」と言える。
中盤以降のコンテンツに期待
「広大なフィールドの移動についての不満」はMAPがファストトラベルポイントで埋め尽くされてくればある程度解決できるし、ここまでプレイしてくると「自分で考えてわかるものかどうか」ということの勘所がつかめてきたので、無駄に動き回るよりさっさと攻略サイトを見に行くので問題にならなくなってきたと思う。
なので、不満点は事実上消えるかもしれないという期待とともに、この先も楽しんでいこうと思う。