「素敵に歳をとる」ために気を付けること

「素敵に歳をとる」ために気を付けること

 「老害」とは、単なる年齢の問題ではない。他者との関係性を失い、時代や社会の変化に背を向け、自分にとっての「最適解」だけを絶対視してしまった人のなれの果てだと思う。

 「目標を設定し、それに向かって最短距離で生きること」は確かに「コスパ」がいい。しかし、最短距離で生きるために切り捨てたモノが「老害」の土台になると、東さんは言っている。その通りだと思う。

 もともとは効率や快適さを追求する「純粋な努力」だったはずが、それが自分本位な最適化となり、やがて世界との接点を失っていく。そうして積み上がった小さな判断の蓄積が、ある日突然「気持ち悪いおっさん」という他者の評価として可視化される瞬間が訪れる。

 その結果、多くの「老害」は「もう世間なんて関係ない」と嘯くが、内心で他者とのつながりや承認を渇望していることは「頂き女子」の件からも想像できる。しかし、世界と向き合うことを長く避けてきた分、その思いは歪み、ねじれた形で現れる。強引な主張、過剰な干渉、あるいは逆に被害者的な態度。そういう行動でより世界から疎まれるので、「老害」のポジションは日々強化される。

 だからこそ、「素敵に歳をとる」ためには、「自分の正しさを疑う視点」と「世界とのズレに敏感でいる感性」が必要。それは決して単純な迎合や自己否定ではなく、「自分に対して客観性を持ち続けること」と「世界を面白がる姿勢を持つこと」だと思う。自分に対する最適化を繰り返して、年齢とともに硬直していくのではなく、むしろ少しずつ手放し、少しずつ受け入れていく。こうした柔らかくもしなやかな態度の積み重ねこそが、周囲に敬意や安心を与える「かっこいいおっさん」を作るのかもしれないと思った。

参考

www.youtube.com

www.youtube.com