本ブログ史上、初の体験
先日、「5年も服を買ってないし、それでいい」みたいな趣旨の記事を投稿したところ、複数の読者から肯定的な反応をもらった。正直、これは自分にとってちょっとした事件だった。このブログを始めて5年ほど経つが、こういう種類の共感を得たことは、ほとんど記憶にないからだ。
というのも、普段このブログで書いているのは、いわゆる「マジョリティが信じて疑わない当たり前」みたいなものに、片っ端から唾を吐きかけるような話ばかりである。たとえば、ブランド信仰、仕事観、教育、家族像など、そういった「常識」に対して、「いや、それって本当に必要か?」と問い直す内容ばかりだ。だからこそ、読者から「うんうん、わかるわかる」と言われる前提は最初から持っていないし、むしろキモがられるだろうと思いながら書いている。
今回は、その予想が外れて、少しうれしい。しかし同時に、「この共感って、物価が上がり、手取りが減っていくという時代背景が生んだ貧乏くささの許容なのでは?」という一抹の悲しさもある。時代が変わったことで、こちらの考えにようやく社会の空気が追いついてきたのか、それとも、社会全体が下がってきたのか、そのどちらかだとすれば、複雑な気持ちにもなる。
とはいえ、反応をくれた読者の文章やプロフィールを見てみると、「自分と向き合って、何を残し、何を手放すかを自分で決めている人」ばかりだった。マジョリティからズレていても、自分なりの筋を通して生きている。そのうえで「それ、わかる」と言ってくれたことが、何よりうれしかった。
自分のために書いた言葉が、他人の心にも静かに届く、そんな初めての尊い体験だった。
コメントいただき、ありがとうございました!