「盗人の血」が騒がないくらいの「余裕」がほしい──読んでないけど『詐欺師入門』が気になる話

 詐欺師は相手の中にある「盗人の血」、つまり、何かを得たいという「欲望」を刺激し、その隙につけ込む。デイヴィッド・W・モラーの『詐欺師入門』を紹介するYouTube動画で、そんな共通構造が語られていた。100年前のアメリカであれ、現代の「闇バイト」であれ、騙しの核は変わらないらしい。カモが「自分も得をしたい」と思った瞬間、詐欺は成立する。

 

 この本が語る詐欺の構造を考えると、詐欺に遭わないためには「余裕」が必要になると思う。ここでいう余裕とは、「大金を持つこと」などではなく、「わざわざリスクを取らなくても済む状態」のこと。つまり、「足りている」と感じられることが最大の防御になると思う。物質的にはもちろん、「スリルが欲しい」とかも思わなくなるように精神的にも「余裕」がないとだめだ。「万引き主婦」の多くは食い詰めてるわけじゃないから。

 

 だが、この「足るを知る」というのが実に難しい。多くの人は、比較や承認欲求の中で、常に「自分は足りていない」と思わされる。その心理を突かれて「盗人の血」を騒いでしまう。

 

 筆者はこの本を今すぐ読みたいが、残念ながらメルカリにもブックオフにもなかった。だが、慌てて買わなくてもいい。今ある「積読」を消化しながら待っていれば、そのうち巡り会えるだろう。こうして「待てる余裕」があることが、自分の中の「盗人の血」を静めてくれるのだと思う。

 

www.youtube.com

 

……とはいえ、世の中には「足るを知りつつ、なお他者に余裕を分けられる方」もいるはず。。そんな方がもしこの本を筆者に届けてくださるなら、筆者の「余裕」もまた一歩深まるかもしれません。この本はAmazonの「欲しいものリスト」に入れてあります。「余裕」のあるときに、ふと思い出していただけたら嬉しいです。