「頭を使う」という行為も、「身体を動かす」と同じように「スタミナ」を消耗する。最近、これを特に実感する。
35歳になって、明らかに「集中力が続かない」時間が増えた。かつては頭が疲れていても気合で作業を進められたが、今ではもう無理である。「スタミナ」が切れた脳では、何も考えられない。動く気力もわかず、観ても記憶に残らない、しょうもない「ショート動画」をぼんやり眺めるだけの存在になる。
もちろん、寝れば「スタミナ」は回復する。でもその「回復」が生活リズムを壊す。夕方に寝ると夜に眠れず、結果として翌朝のスタートが遅れる。ここで起きている問題は、「スタミナの制約」と「生活リズムの制約」の板挟み=ダブルバインドだ。
思えば、ルーティンのない自由な生活をしていた頃は、こうした問題を感じなかった。疲れたら好きなときに休み、起きたら動く。人間の生理に従ったリズムで生活していれば、それで回る。しかし、仕事を中心にした生活ではそうはいかない。「この時間までに出勤」、「この時間までに仕事を仕上げる」など、ルールと期待に従って行動する必要があるからだ。
こうして考えると、中高年サラリーマンが置かれている状況はなかなか過酷だと思う。加齢で落ちた「スタミナ」をうまく使いながら、仕事を前提とした「生活リズムの制約」にも耐え、なんとか「普通の生活」を維持している。これはかなり「すごいこと」だと思う。そしてもうすぐそんな「すごいこと」をしなくてはならないと思うと気が重い。。