「いつ巨大地震が来るか」、「戦争が始まるのはいつか」、「次のパンデミックは?」。そんなことは筆者ら小市民がわかるわけがない。たとえ予測できたところで、できる対策なんて限られている。大富豪のように「スゴいシェルター」も「海上都市」も「宇宙船」も用意できない。そんな無理なことを目指すよりも、小市民には小市民の目指すべきところがあると思っている。
それは簡単に言うと、「予測と解決ができる不幸をいかに潰すか」ということだと思う。
「借金を抱えてるのに仕事を失ったらどうする?」、「健康を壊したら今の生活は維持できるか?」、「やりたいことがあっても、時間が足りない状態が続いたらどうなるのか?」
つまり、お金、健康、時間が無くなることは不幸なことだと思うが、こうした問いは、想像すれば「(たぶん)フツーにわかる範囲のこと」だと思う。そしてそれに対しては、自分なりの対策が取れる。
お金が不安なら、借金しないし、支出を抑えて貯金する。健康が不安なら、睡眠・食事・運動を見直す。時間がないなら、やることに優先順位をつけてスケジュールを組み直す。
「未来に何が起きるか」を予想して一喜一憂するよりも、「自分が壊れそうな箇所」に目を向けて修復していく方が、ずっと確実に幸せに生きやすくなると思うのである。
最近、「7月に天災が起こる」という陰謀論めいた話を耳にすることが多いが、そういうことで盛り上がる前に、自分の部屋の片付けとか、支出の見直しとか、睡眠の質を改善することの方が大事だと思う。そういう「自分事」を無視して、「不幸全部盛りの人生」を組み上げてしまうと、その天災が「救済」になりかねない、悲しい人生になってしまう。
筆者は「収入の範囲内で暮らす」という言葉が好きだ。でもこれはお金に限らず、時間や体力など他のリソースにも言える。「自分の持ってるリソースの範囲内で暮らす」こと。それが、自分の手で防げる不幸を潰す、最も手堅い方法だと思っている。