ここ最近、これまで普通に変えていた備蓄米があんまり手に入らなくなってきた。とはいえ、これは当然のことで、備蓄米は無限に存在するわけじゃない。備蓄米が尽きれば市場に出回る量は減る。筆者は防災対策も兼ねて備蓄米の備蓄を日ごろからやっている。しかし、それも流通があってこそで、備蓄ができなくなるのも時間の問題なので焦っている。
さらに残念なのは、コメの生産量は急に増える見込みはない、ということである。コメ農家の高齢化やビジネスの構造的に新規参入の難しさを考えると、「米が余って困る」時代はもう終わりで、むしろ「どうやって大事に食べていくか」が課題になっていくと思う。
そう考えて、筆者の家庭では数年前から「なるべく米の消費量を抑える工夫」をしている。といっても難しいことではなく、やっているのは「混ぜる」ことだ。「押し麦」や「もち麦」、「十六穀」などの雑穀はもちろん、「大根の葉っぱ」みたいなクズ野菜も立派な混ぜ物になる。最初は「なんとなく節約っぽいな」と思って始めたのだが、やってみると意外にいい。栄養価はむしろ上がるし、食感に変化が出て飽きにくい。食べごたえが増すので、結果的におかずの量も少し減って家計にもやさしい。
「ご飯は白米でないと満足できない」と思い込んでいた時期もあったが、最近はそうでもない。『牛タンねぎし』の「麦ごはん」は抜群においしいし、そこまでのクオリティを出せなくても、炊き上がったものを「これが今日の主食だ」と思って食べれば、案外すぐに慣れるものだ。満足感なんて結局は思い込みにすぎない。むしろ今は、米にいろんな食材を混ぜて新しい味や食感を楽しめるのがちょっとした遊びになっている。
もちろん、上記のような工夫をするからと言って、コメを取り巻く環境を肯定するつもりはない。それはそれとして声を上げていかないといけないと思う。とはいえ、そのためにもまずは足元の食生活を安定させないといけない。じゃないと「考えるゆとり」は生まれない。よく考えないで声を上げてもきっと誰にも拾ってもらえないし、よく考えない行動はむしろ身を亡ぼす。これも筆者が日ごろから大事にしている「冷静でいる努力」である。そんなわけで、今日もサバイバルしていくとする。