生き延びるための行動に「気分」は関係ない

 「節約疲れ」などというよくわからないワードを耳にして驚いた。どうにも「節約」の本質を分かってないか、「お金を使わせるキャンペーン」の一環なのか、どちらにせよ有害な発想だと思う。

 

 言うまでもないと思っていたが「節約」は気分でやるものじゃない。キャッシュフローがマズくなって、生活が崩れ始めているから、それを立て直すためにやるのである。これは生き延びるためにやるのであって、「モチベが…」「幸福度が…」みたいな話を挟む余地はない。戦場の兵士が敵を目の前にして「今日はやる気が出ない」とか言っていればすぐに死ぬだろう。

 

 「節約」の本質は、その時の身の丈に生活を合わせ直すことだ。確かに「節約」によって手に入れるモノやサービスは減ることになるが、それはむしろ自分の生活を再設計するチャンスでもある。「これは本当に必要だったのか」、「なんとなく続けていただけじゃないか」など、今までの行動を反省すれば、不要な支出は驚くほど剥がれていく。そして、今の収入の範囲内で自分なりに楽しみを再構築できれば、「節約」は「新しい生活習慣」に変わる。

 

 「節約」は生き延びるために必要な行動だからこそ、淡々と継続できる形に整える必要がある。我慢や根性で乗り切ろうとするのがそもそもの間違いで、やるべきことは身の丈に合った生活習慣の再構築である。また「節約」とは、感情を切り捨てることではなく、感情に潰されないための防御方法でもある。ここを取り違えなければ、「節約」はもっと軽やかで、もっと自分の人生に自由を取り戻すための武器になり得る。