企画第三弾は夏目漱石の『こころ』。ちなみに学校教育の過程で読まされた記憶はなんとなくあるので、厳密には「初見」ではない。
傍観者として物語を眺めているせいか、「対話不足」や「誤解」がもどかしく思った。「いや、そんなに悩むなら、一言聞けばよかったじゃん」みたいに思うが、もしかしたら、「身分」だとか「プライド」がそれを妨げてしまうんだろうか。確かに、「バカにされたくない」とか、「内心をさらすのは恥ずかしい」みたいな場面はあるか。
そう考えると、「相手に聞くこと」と「死ぬしかないと思う罪悪感」についても、「自分はそういう人間だった」と開き直れることが突破する力になると思える。
とはいえ、「開き直り」によって自分を過小評価するのもまた「無敵の人」みたいになって危ないが、「自分は高潔で万能」みたいな過大評価も逆方向に「無敵の人」になってしまう。「正しい自己認識」を作る上で大事なのはきっと「対話」と「経験」で、過去の自分と周囲の人間を使って自分を「いい感じに相対化すること」が大事なんじゃないかと思った。