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社会に「無能」は増えるが職場での風当たりが強いままなら、君たちはどう生きるのか

補助ツールのおかげで相対的に社会に「無能」は増える

出典:「参考動画」のコメント欄より

 

 この2023年の日本の職場において、中学校で修得する演算ができない人間は、知能を疑われるほどである。それはわかる。

 「契約書」にまみれたこの社会で、それができないことはほとんど死を意味するくらい危ないからだ。「そんな計算もできずによく生きてるね」と眉を顰められてもおかしくない。

 職場で働くような年齢になっても中学校で修得する演算ができない場合でも、今は計算の仕方や計算式は調べればすぐに出てくる。なので学ぼうと思えば学べる。これがインターネットという「便利ツール」である。(上記コメントのような演算であればインターネットができる前から学べたわけだけども。)

 2023年現在であれば、「無能」とされる人間のハードルの最底辺は、「中学生以下の知識レベルと学ぶ意欲がないことこと」なのかもしれない。

 が、これが時代が進めばどうだろうか?

 「そんなこと普通にわかるだろ?」のレベルが「便利ツール」のおかげでどんどん上がっていったらどうなるだろうか?

 そんなの調べれば答えが出る。

 ちゃんと買いてあるんだから読めばわかる。

 学ぼうと思えばいくらでもわかりやすく教えてくれる。

 「便利ツール」が仕事における困りごとを解決させてくれるようになれば、「当たり前にできること」のレベルが上がる。

 それは生産性が上がって素晴らしいことだけども、「便利ツール」を使って自分を強化できない人間を「無能」にしてしまう。

 一昔前ならば「できなくて普通」だったことも、技術進歩と共に「できないやつはおかしい」ことになる。

 いくら「便利ツール」ができても、全ての人間がそれを必要に応じて適切に使って、自分の足りない能力を補強できるわけではない。

 生まれながら知能が低かったりするどうしようもない事情もあるし、そうでなくても加齢によって知能が下がったりもするのが人間である。

 とはいえ、「便利ツール」の進化は人間に求める「当たり前の知能」を高く要求することにつながる。これはもう仕方のないことである。

職場は効率良く金を稼ぐ場所なので「無能」への職場での風当たりは強いまま

出典:「参考動画」のコメント欄より

 

 「便利ツール」の進化は、「まともな人」の判定基準としての知能レベルを上げるので、それについていけない人を「無能」とする社会の土台を作る。

 が、人間はそんなに簡単に進化しない。むしろ、世界的な少子高齢化を見るに、人間の知能は人類全体で見れば、時間と共に低下していくと見ることもできる。

 ならば社会には「無能」が多数を占めることになるので、自分の周りがみんな「無能」なら、「無能」であることに悩む必要はなくなるのではないか?

 確かに、みんな「無能」なら自分だけ「無能」でも責められることはない。

 しかし、「職場」ではそうはいかない。

 「職場」は効率良く金を稼ぐ場所なので、それができない「無能」への風当たりは、時代が変わっても変化しない。

 最小のコストで最大の利益を上げられるように、合理的に考えて生産しないと金は稼げないのである。

 合理的に考えるには、引き続き「知能」が必要である。少なくとも中学校で修得する演算は必須だろう。

「金を稼げるからすごいオレ」というアイデンティティを持てる人は減る

 「便利ツール」の進化で、人間に求められる知能の水準は上がり、社会に「無能」とされる人間は増える。そして金を稼ぐ場所の代表である「職場」にはそんな「無能」に居場所はないので、働ける人間自体が減ることになる。

 そうなれば、「金を稼いでいる」という状態の人間自体が減ることになる。

 しかし、おそらくこの先の時代も金で必要なリソースを買うというスタイルは変わらないだろう。

 2023年現在はギリギリ「職場」にいられる「(今は)普通の人」もこの先の時代は「無能」になる。なので、今現在「金を稼いでいるから自立しているから、オレすごい!」なんて自尊心を持っていたとしても、それは時間の問題で消え失せるだろう。

 最終的にはどこまで意味があるかは分からないが、「いろいろ学んで日々知能を磨いているから、オレすごい!」という実際の行動と自尊心を持っていないといけないだろう。

君たちはどう生きるのか

 2023年9月20日時点でついているコメントで一番納得したコメント。素晴らしい。

出典:「参考動画」のコメント欄より

 

 「便利ツール」の今後の進化は、振り返ると2023年現在の「無能」の基準など、笑ってしまうくらい低い基準になっていくと思う。

 計算ができない、電動ドライバーが使えない、テープカッターの意味が分からないなど考えるに値しない、「できて当たり前」のことになるだろう。

 2023年現在では、「出来ててすごい!」ことも時間が経てば「できて当たり前のこと」になる。

 しかし、人間の知能はすぐには変化しないし、知能が低い人は学習しても効果が薄く、「便利ツール」の進化にはとてもじゃないがついていけない。

 こうなった時にプライドを捨てて「無能」として、向こう三軒両隣の「無能」と楽しく過ごすのか、進化する「便利ツール」を使いこなせるように日々進化していく「有能」を目指すのか。はたまた想像もつかない新しいポジションを確立するのか。

 君たちはどう生きるのか。

参考動画

www.youtube.com