そのお金は「本当に今使う必要があるのか」を常に考える
今手元に持っているお金の価値と、今そのお金を使って手に入れようとしているモノの価値は、基本的には時間と共に変化する。
お金は時間と共に増えるし、モノの価格は時間と共に下がる。基本的には。
そういう仕組みがあることを意識して、お金を費う際には「そのお金は本当に今費う必要があるのか」を常に考える必要がある。
自分にとって満足感が得られるものにお金を費うこと
まず、お金を費う際に前提として、「自分にとって満足感が得られるものにお金を費うこと」というのがある。
お金とモノの価格について、時間を考慮しても、「買っても自分はなんと思わないモノ」を買っていては意味がない。これが無駄遣いである。
なので、自分が買うものは、それを買うことによって、自分にとって確実に満足感が得られるモノでなければならない。
自分の満足感が何によって得られるのか、そもそも自分が感じる満足感の正体をちゃんと考えた人にとっては、世の中、買うべきモノは実はそんなに多くないのではないかと思う。想像だけど、多くの人は、なんとなくモノを買っているからだ。
今しかできないことにお金を費う
今、買うことを検討しているモノは、確実に自分を満足させるモノであるというところまで来たら、次はそれを「今買う必要があるのか」ということを考える。
モノの値段は基本的には時間と共に下がる
例えば、今買おうとしているモノは欲しいけれども、来年でも買うことができる、なんなら来年買った方が品質は変わらずに値段が安くなる可能性があるならば、今買わなくていいと思う。
具体的には、アニメ、ゲーム、漫画、映画なんかの娯楽は、「中身の品質は変わらないのに時間と共に値段が下がるモノ」である。クリエイターにとっては嘆かわしいが。
こういうものを、「今買う」には慎重に検討しないといけない。
例えば、ゲームだったら、「ネット対戦ができる格闘ゲーム」なんかは「今買うこと」を検討しても良さそう。こういうものを発売1年後に始めると、腕前の差やそもそもプレイ人口がどうなっているかわからず、満足に遊べない可能性があるからだ。
自分が今できることは日毎に減っていく
一方で、「今買う」必要があるものとしては、「自分の身体や感性を使った経験」があると思う。
具体的には、スポーツ、旅行、芸術の鑑賞や創造、学習があると思う。
スポーツや旅行は身体をつかうものなので、若い方がいろんなことができる。特に格闘技をやっている身からすると、格闘技をフィットネスとしてでなく、戦いとしてちゃんとやるには、満足にできて30代が限界ではないかと思う。
学習も年老いてからでは、学習への意欲も、学習したことを発揮する場も限られると思うので、やるなら1日でも若いうちがいいと思う。もちろん、何を学習するかは慎重に検討しないとお金以外も無駄に費うので注意が必要だけど。
今買う必要があるか、については常に検討の余地があり、検討は慎重に行わないと買っても買わなくても損をしてしまう可能性がある。
一緒に楽しんでくれる人はいつまでもいるわけじゃない
スポーツや旅行など、人と一緒にやるものは、「いつでも、そして、いつまでも」できるわけじゃない。
その人は明日から急に自分と一緒に居れなくなるかもしれない。
友達やパートナーと一緒に楽しむものは、基本的には「今その時」が買い時だったりする。
お金は手段を間違えなければ基本的には時間と共に増える
このブログの「資産形成」のカテゴリーでは、時間を使ってお金を増やすことを実践している。
特別なことをしなくても、銀行にお金を入れているだけで「利息」が手に入るので、お金が時間と共に増えることは疑いようのないことだろう。もちろん「銀行利息なんて増えたうちに入らない」という感想はあると思うけれど。
なので、今買う必要のないものを、値段が下がった後に買おうとすると、今買うために握っていたお金は増えて、買おうとしていたモノの値段は下がる、ということが起こる。
例えば、先日『ポケットモンスターホワイト』*を中古で購入したのだが、この時の値段は1,000円だった。
『ポケットモンスターホワイト』は、2010年に発売され、小売価格は4,571円だった。
これを11年後の2021年に購入すると、価格は4分の1以下になるのである。(たまたまその価格で手に入った可能性もあるが)
また、11年間ポケモンホワイトを買うためのお金を運用すると、仮に年2%で運用できたら、5,683円になる。(もちろん運用にはリスクはつきものだが、年利2%ならリスクはそれほど大きくないと想像している。)
つまり、ポケモンホワイトを発売日に買うと、マイナス4,571円だが、11年後に買うと、運用益5,683円からポケモンホワイトの中古価格を差し引いて、プラス4,683円になる。
このように、今買う必要のないものを今買わないだけで、お金を減らさずにモノを手に入れることもできるのである。
「今買う必要のないもの」が欲しくなる時もあると思うが、お金とモノの価格の関係を考えて少しでも大事なお金を減らさないようにしたいと思った。