MENU

『インベスターZ』感想メモ

 

お金の概念が人間に「考える時間と余裕」をもたらした

 お金の機能の1つに「価値の保存」がある。

 これは、人間が生産したものをお金に変えて、必要な時にお金と何かを交換できるものである。

 これがあることで、「どれだけ生産すれば、何が手に入るのか」ということがわかるようになる。

 そうなれば、「必要分を生産したら後は、安心して好きなことをやって生きていくこと」ができる。

金ハ人ナリ人ハ金ナリ』インベスターZから学ぶ投資哲学1 | 自己資産構築の攻略本

出典:『インベスターZ』第1巻より

お金がないということは時間がないということ

 お金が時間と余裕をもたらすということは、お金が発明された当時の話だけではない。今現在もそうである。

 現に、お金がない人は長時間、そして毎日でも働かなければならない。必要な分のお金が手に入るまでこれを繰り返す。

 一方で、お金がある人は、別に働く必要すらない。好きなことを好きなだけすればいい。また、何もしなくてもいい。

 これは「お金を多く稼いでいるか」ということはあまり関係がない。むしろ、「どれだけのお金を使わなければならない人間なのか」ということが関係している。

 「お金がない」=「時間がない」ということを体現しておられるのは、地獄海外難民chさんの動画でよくわかる。

 

spreadthec0ntents.com

人間が人間らしくあるためにはお金が必要

 人間が何かについて考えるには、時間、体力、精神の余裕が必要である。

 何かに追われて忙しい時には、目の前のことしか考えることができなくなる。これは「人間らしい」とは言えない。

 常に食料を求めて働きまわるのは、まるで野生動物のようである。

 お金は人間に、考えて自分の幸せを作っていく余裕をもたらしてくれるものなのである。

 なので人間が、ただの生き物ではなく、人間らしくあるためにはお金が必要なのである。

 『インベスターZ』を読むまでは、「お金がある状態が良いことである」と、漠然と認識しており、「なぜお金がある状態が良いことなのか?」ということについては考えていなかった。

 「お金を持っておく」ということの必要性が改めて認識できたので、引き続き資産形成に励とする。

spreadthec0ntents.com

 

お金の価値は信用によって成り立っている

意外と知らないお金の真実(『インベスターZ』第6話)|ドラゴン桜(三田紀房)公式note|note

 お金の価値は何かによって保証されてきた。

 それは、本体の貴金属的価値、銀や金との交換価値、銀行が発行する借用書、国がその価値を規定すること、など、時代や場所によって様々な方法で、お金の価値の裏付けがなされてきた。

 お金がお金として成立するには、「お金についている後ろ盾を信用できるか」ということが必要なのである。

実はお金は「そんなに確かな価値ではない」

ドイツに禍根残したハイパーインフレの恐怖 卵の値段1兆倍、札束が子どものおもちゃに:朝日新聞GLOBE+

 お金を「交換可能な価値」たらしめている「後ろ盾」の信用度は、何かがあると揺らぐ。

 例えば、発行元がお金を刷りまくることで、世の中に「モノよりお金の方がたくさん存在する状態」ができると、たちまちお金の価値は下がる。

 みんながお金をたくさん持っているのに、売っているモノが少ないんじゃ、みんな欲しいものに対してたくさんお金を使うし、売ってる人も貰えるだけもらおうとする。

 これが行き着く先は、「お金なんてあっても役に立たないよね」とみんなが気づいて、お金に興味を持たなくなることである。

 こうなるとお金は「紙切れ」になる。

 こういうことが「お金を刷りまくる」以外のことでも起こりうる。

 「お金なんて持っててもしょうがない」と思われることが、お金を「紙切れ」に戻す要因なのである。

お金という土台の上に別の信用が建っているので崩れるとまずい

 お金とは、みんなの思い込みで成り立っているおり、なんらかのイベントがあればその価値がとんでもなく上がることもあれば、無価値な「紙切れ」になるほどに不安定なモノである。

 しかし、いろんな物事がお金という価値を土台にしている。

 「この時計はいくらのお金で売れるから価値がある」

 「そんな時計を持っているから安心して生活できる」

 「安心して生活できるということは、子供でもつくってもいいかもしれない」

 こんなふうに、お金を土台にそこから別の信用を建てていく。

 それが高く積み上がった時、「お金なんて持っててもしょうがない」なんて状態になったらどうだろうか。いろんな信用が総崩れになって、個人も社会も混乱する。

 最終的には、お金で交換しようとしていた、食べ物や衣服などの「現物」こそが価値あるモノになるだろう。

 みんなモノを生産することで忙しかった、「お金がなかった時代」に逆戻りになる。

破綻しないためにお金を上手に使いつつ、お金以外の価値にも目を向ける

 我々が持っているお金が、いつもいつでも、何とでも交換できる価値を持ち続けるかどうかはわからない。

 お金の信用は「絶対に崩れないもの」ではなく、「何かがあれば崩れうるもの」なのである。

 なので、お金しか持っていないと、そのお金の価値がなくなった時に家計が破綻する。大事に守ってきたいろんなモノが一気になくなってしまう。

 それは困るので、お金以外の価値にも目を向けて、それが「いくらのお金になるか」ということ以外の尺度で価値を見極めることが、安心して生きるためには必要だと思った。